「現場監督は何をする人ですか?」
若手社員からのこの質問に、私は一瞬言葉に詰まった。
図面通りに工事を進める。予算を管理する。安全を確保する。
どれも正解だが、それだけでは現場監督の本質は語れない。
私は佐藤健吾。58歳になった今、清水建設での35年間を振り返りながら、現場監督という仕事の真の姿をお伝えしたい。
宮城県石巻市で生まれ育ち、東日本大震災の復興現場も経験してきた。
都市再開発という巨大プロジェクトの最前線で学んだのは、現場監督とは「図面には描けない現場のリアルを読み解き、人と人をつなぐ存在」だということだった。
この記事では、以下の内容をお伝えします:
- 都市再開発プロジェクトにおける現場監督の本当の役割
- 35年の経験で培った職人との信頼関係構築術
- 震災復興から学んだ「地に足をつけた現場力」の重要性
これから建設業界を目指す方、現場監督として悩みを抱える方に、少しでも参考になれば幸いだ。
現場監督という存在の重み
「現場監督=調整役」では語り尽くせない責務
現場監督と聞くと、多くの人は「現場の調整役」というイメージを持つだろう。
確かにそれも正しいが、実際の責任はもっと重い。
清水建設での初めての都市再開発プロジェクトは、横浜みなとみらい地区の複合施設だった。
地上30階建て、総工事費200億円を超える大規模プロジェクト。
私は副所長として、総勢300名の職人と20社を超える協力会社をまとめる立場にあった。
現場監督の主要責務(法的義務を含む):
- 安全管理:労働安全衛生法に基づく現場安全の最終責任
- 品質管理:建築基準法および設計仕様書への適合確保
- 工程管理:契約工期内での完成に向けた全体調整
- 予算管理:設計変更や追加工事の費用統制
- 法令遵守:建設業法における主任技術者・監理技術者として
ある日、基礎工事で予想外の地下埋設物が発見された。
図面には記載されていない古い下水管だった。
工事は一時停止。発注者への報告、設計変更の協議、新たな施工方法の検討。
すべてが私の判断にかかっていた。
この時私が痛感したのは、現場監督は「技術者」であると同時に「経営者」でもあるということだった。
一つの判断ミスが、工期遅延による損害賠償、安全事故による重大な責任問題につながる。
図面や仕様書はあくまで設計上の理想であり、現場の現実とは常にズレがある。そのズレを埋めるのが、現場監督の最も重要な仕事なのだ。
図面と現場の”ズレ”を埋める眼と勘
35年間の現場経験で学んだのは、「図面通りにいかないのが現場の常識」ということだった。
設計図書は完璧に見える。
しかし、実際の現場では地盤状況、近隣環境、天候、職人の技量など、図面には表現できない要素が無数に存在する。
これらの要素を瞬時に判断し、最適解を導き出すのが現場監督の腕の見せ所だ。
図面と現場のズレが生じる主な要因:
- 地盤・地中条件:ボーリング調査では把握しきれない局所的変化
- 近隣環境:騒音・振動規制、車両通行制限の現実的制約
- 気象条件:コンクリート打設や外装工事への天候影響
- 職人の技量:理論値と実際の施工能力との差異
- 資材調達:メーカー都合や輸送条件による変更の必要性
豊洲地区での大型商業施設建設プロジェクトでは、基礎コンクリートの打設中に想定外の湧水が発生した。
設計では止水工法を指定していたが、現場の地質条件では効果が不十分だった。
私は即座に工事を中断し、地質調査会社と設計事務所を現場に呼んだ。
3時間にわたる現場協議の結果、新たな止水方法を採用することになった。
この判断により、工期は3日遅れたが、後の工程で大幅な遅延を回避できた。
机上の理論だけでは現場は動かない。現場監督には、五感を使って現場の「生の声」を聞き取る能力が求められるのだ。
現場で育まれる信頼とリーダーシップの本質
現場監督として最も大切なのは、職人から信頼されることだ。
技術的な知識だけでは、本当の意味で現場をまとめることはできない。
私が若手の頃、厳しい親方に言われた言葉がある。
「監督の仕事は指示することじゃない。みんなが安心して働ける環境を作ることだ」
最初はその意味がわからなかった。
しかし、年を重ねるにつれて、この言葉の重みが身に染みてわかるようになった。
朝の現場では、必ず全職人と顔を合わせる。
体調はどうか、家族に変わりはないか、前日の作業で気になる点はないか。
こうした声かけが、後の大きなトラブル防止につながることが多い。
都市再開発という”生き物”との向き合い方
清水建設で学んだ複雑で巨大な現場の実態
都市再開発プロジェクトは、まさに「生き物」だった。
毎日状況が変わり、予想もしない問題が次々と発生する。
清水建設在籍中に関わった麻布台ヒルズプロジェクトは、その象徴的な現場だった。
地上64階、高さ約330mのタワーを含む大規模複合開発[1]。
工期は5年、総工費は数千億円規模。
関わる人員は延べ10万人を超えた。
大規模都市再開発プロジェクトの特徴:
要素 | 一般建築工事 | 都市再開発 |
---|---|---|
工期 | 1-2年 | 5-10年 |
関係者数 | 50-100名 | 500-1000名 |
調整事項 | 建築関連のみ | 都市計画・交通・環境等 |
法的手続き | 建築確認等 | 都市計画決定・環境アセス等 |
社会的影響 | 限定的 | 地域全体に波及 |
このプロジェクトで私が担当したのは、基盤工事から地上15階までの躯体工事だった。
地下5階まで掘削する大規模土工事では、毎日のように想定外の事態が発生した。
ある日、地下3階レベルで戦時中の不発弾らしき物体が発見された。
即座に工事を全面停止し、警察と自衛隊に通報。
現場からの避難、周辺住民への説明、工程の見直し。
結果的に処理まで1週間を要し、工程に大幅な影響が出た。
しかし、これこそが都市再開発の現実だ。
長い歴史を持つ都市部では、地中に何が埋まっているか予測不可能な部分がある。
現場監督は、こうした不測の事態にも冷静に対処し、関係者全体をまとめ上げなければならない。
周辺住民・行政・設計・職人——多層的な利害調整
都市再開発プロジェクトでは、実に多様なステークホルダーとの調整が必要になる。
建設工事そのものに関わる職人や協力会社だけでなく、周辺住民、行政機関、設計事務所、発注者、そして時には報道機関まで。
それぞれが異なる立場と利害を持っており、現場監督はその調整の要となる。
主要ステークホルダーとの調整ポイント:
- 周辺住民:騒音・振動・交通規制への配慮と事前説明
- 行政機関:建築確認・道路占用許可等の法的手続き
- 設計事務所:施工上の問題点と設計変更の必要性
- 発注者:工期・品質・コストの三要素バランス
- 協力会社:工程調整と品質要求水準の共有
豊洲スマートシティプロジェクトでは、日本初の都市型道の駅「豊洲MiCHiの駅」の建設に関わった[2]。
このプロジェクトは単なる建築工事ではなく、地域の交通結節点としての機能も担っていた。
工事期間中、毎週金曜日の夕方に住民説明会を開催した。
「今週はどんな工事をするのか」「騒音はいつまで続くのか」「通学路への影響はないか」。
住民の方々の率直な質問に、私は現場の状況を踏まえて丁寧に答えた。
時には厳しい意見もいただいた。
しかし、こうした対話を継続することで、徐々に理解と協力を得ることができた。
工事完了後には、住民の方々から感謝の言葉をいただいたときは、本当に嬉しかった。
「予定通りにいかない」ことを前提とした現場判断
35年間の現場経験で学んだ最も重要なことは、「予定通りにいかないのが当たり前」という前提で現場を運営することだった。
計画や工程表は重要だ。
しかし、それらはあくまで目標であり、現場の状況に応じて柔軟に修正していく必要がある。
ある大型オフィスビルの建設現場では、台風の直撃により工程が大幅に狂った。
外装工事の足場が倒壊し、一部の躯体工事もやり直しが必要になった。
この時、私が最初に行ったのは工程の再検討ではなく、けが人がいないかの確認だった。
幸い人的被害はなかったが、物的損害は甚大だった。
しかし、ここで慌てても何も解決しない。
私は冷静に状況を整理し、関係者を集めて対策会議を開いた。
危機管理における現場監督の行動原則:
- 人命・安全の最優先確保
- 被害状況の正確な把握と報告
- 関係者への迅速な情報共有
- 復旧計画の立案と実行
- 再発防止策の検討と実施
結果的に、工期は1か月延長となったが、品質を妥協することなく工事を完成させることができた。
予定通りにいかないことを恐れるのではなく、そうした状況にどう対処するかが現場監督の真価を問われる場面なのだ。
技術ではなく”人”を動かす力
若手監督に伝えたい「職人との関係構築」
多くの若手現場監督が悩むのが、職人との関係構築だ。
私自身、最初の現場で痛い目にあった経験がある。
入社3年目、初めて一人で任された中規模マンションの現場。
技術的な知識には自信があった私は、ベテラン職人に対して理論的な説明ばかりしていた。
しかし、職人たちの反応は冷ややかだった。
「監督、現場を知らないね」
鉄筋工の親方からかけられたこの言葉が、私の転機となった。
職人との関係構築で最も大切なのは、相手を一人の専門家として尊重することだ。
職人は現場監督の部下ではない。それぞれの分野のプロフェッショナルなのだ[3]。
職人との良好な関係を築くための具体的行動:
- 朝一番の現場到着:誰よりも早く現場に来て準備を整える
- 率先した清掃:現場の整理整頓を自ら率先して行う
- 敬語での対話:年上の職人には必ず敬語で接する
- 技術の習得姿勢:「教えてください」の姿勢を忘れない
- 感謝の表現:良い仕事には素直に感謝を伝える
ある左官職人の親方は、50年のキャリアを持つベテランだった。
私は毎朝、その親方に「今日もよろしくお願いします」と頭を下げて挨拶した。
最初は素っ気なかった親方も、徐々に現場での気づきや改善提案を教えてくれるようになった。
「監督、この部分はこうした方がいい仕上がりになる」
そんな助言をいただけるようになったとき、初めて職人との信頼関係が築けたと実感した。
職人の経験と技術を素直に学ぶ姿勢。これが若手監督に最も必要な資質だと思う。
安全意識と現場文化——時代と共に変わるもの・変わらないもの
建設業界の安全意識は、この35年間で劇的に変化した。
私が入社した1980年代後半は、まだ「安全は個人の注意力次第」という風潮が残っていた。
しかし、1972年の労働安全衛生法制定以降、安全管理は現場監督の重要な法的責務となった[4]。
建設現場の安全管理の変遷:
時代 | 主な安全対策 | 特徴 |
---|---|---|
1980年代 | 個人の注意喚起中心 | 経験と勘に依存 |
1990年代 | 安全大会・KY活動導入 | 組織的取り組み開始 |
2000年代 | リスクアセスメント義務化 | 科学的安全管理 |
2010年代 | ICT技術活用開始 | データ化・見える化 |
2020年代 | AI・IoT本格導入 | 予防的安全管理 |
清水建設では近年、AI技術を活用した安全監視システムを導入している。
3D LiDARとカメラを連動させ、危険な作業をリアルタイムで検知する仕組みだ[5]。
しかし、技術がいくら進歩しても変わらないものがある。
それは「人間の心」だ。
どんなに素晴らしい安全設備があっても、それを使う人間に安全への意識がなければ事故は防げない。
朝の朝礼での声かけ、作業前の安全確認、職人同士の声の掛け合い。
こうした人と人とのコミュニケーションこそが、安全の基盤なのだ。
現場での失敗と叱責から学んだこと
現場監督を35年やっていれば、数え切れないほどの失敗を経験する。
そして、その度に厳しい叱責を受けてきた。
最も印象に残っているのは、入社5年目に経験した重大な施工ミスだった。
鉄筋の配筋図を読み間違え、構造上重要な部分で規定より細い鉄筋を使用してしまった。
幸い構造計算上の問題はなかったが、やり直し工事で工期が2週間延長となった。
「佐藤!お前の確認不足で現場全体が迷惑している!」
所長からの厳しい叱責は、今でも耳に残っている。
しかし、この失敗から学んだことは計り知れない。
図面の読み込みの重要性、ダブルチェック体制の必要性、そして何より、一つのミスが現場全体に与える影響の大きさ。
失敗から学ぶ現場監督の成長プロセス:
- ミスの原因分析:なぜ起きたかを徹底的に検証
- 責任の受け入れ:言い訳せず素直に非を認める
- 改善策の検討:同じミスを繰り返さない仕組み作り
- 関係者への報告:透明性のある情報共有
- 継続的な振り返り:定期的な自己評価と改善
現場での叱責は確かに辛い。
しかし、それは愛情の裏返しでもある。
良い現場監督に育ってほしいという先輩たちの思いが込められている。
若手の頃は理不尽に感じることもあった。
しかし、今思えば、その厳しさがあったからこそ今の自分がある。
失敗を恐れるのではなく、失敗から学ぶ姿勢。これが現場監督として成長するための最重要ポイントだ。
経験が語る「地に足をつけた現場力」
震災復興の現場が教えてくれた本質
2011年3月11日。
東日本大震災が私の故郷、石巻市を襲った。
当時、私は横浜の現場にいた。
テレビで映し出される故郷の壊滅的な被害に、言葉を失った。
清水建設からの辞令で、私は震災から半年後に石巻市の復興事業に参加することになった。
35年のキャリアの中で、最も印象深い現場だった。
がれきの山と化した街。
家族を亡くした人々の悲しみ。
それでも復興への強い意志を持ち続ける地元の人たち。
この現場で私が学んだのは、建設業の本質は「人々の生活を支える基盤を作ること」だということだった[6]。
復興事業では、単に建物を建てるだけでは意味がない。
そこに住む人々の思いや記憶、コミュニティのつながりまで考慮した工事が求められた。
震災復興事業で重視された要素:
- 被災者の心情への配慮:工事による騒音・振動の最小化
- 地域雇用の優先:地元業者・職人の積極的活用
- 環境への配慮:がれき処理・リサイクルの徹底
- 将来への備え:次の災害に強いまちづくり
- コミュニティ形成:住民同士のつながり再生支援
ある災害公営住宅の建設現場では、入居予定の高齢者の方が毎日のように現場を見に来られた。
「ここが私の最後の住まいになる」
そんな言葉を聞いたとき、この工事の重みを改めて実感した。
私たちは単なる建設工事ではなく、人生の再出発の場を作っているのだと気づいた。
一つ一つの工程に、これまで以上の責任感と丁寧さを込めて取り組んだ。
“現場を知らない指示”が現場を壊す——その教訓
震災復興事業では、多くの”現場を知らない指示”に直面した。
本社や行政からの指示は、往々にして現場の実情を反映していなかった。
「工期短縮」「コスト削減」といった要求は理解できるが、現場の状況を無視した無理な要求もあった。
ある仮設住宅建設プロジェクトでは、当初計画より30%の工期短縮を求められた。
しかし、現場は津波被害により重機の搬入路が寸断されており、資材運搬にも大幅な制約があった。
私は本社に現場の状況を詳細に報告し、現実的な工程の見直しを提案した。
「現場の状況を見ていただけませんか」と、担当者を現場に招いた。
実際に現場を見た本社の担当者は、計画の非現実性を理解してくれた。
結果的に、品質を確保しながら現実的な工期での完成を実現できた。
現場力が発揮される場面:
- 現状の正確な把握:机上では見えない問題の発見
- 現実的な計画立案:実行可能性を重視した工程・予算
- 柔軟な対応力:状況変化に応じた迅速な方針転換
- 関係者との調整:現場目線での合理的な解決策提示
- 品質の確保:理論と実践のバランスを取った施工
現場を知らない指示は、必ずしも悪意から生まれるわけではない。
しかし、現場の実情を無視した指示は、かえって混乱を招き、品質低下や安全性の問題につながる。
現場監督の重要な役割の一つは、こうした指示に対して現場の視点から適切な提案を行うことだ。
上からの指示を盲目的に受け入れるのではなく、現場の専門家として意見を述べる勇気も必要なのだ。
書類ではなく足で得る情報の価値
現代の建設現場では、ICT技術の導入が急速に進んでいる。
図面の電子化、進捗管理システム、安全管理アプリ。
BRANUのような建設DX企業が提供する施工管理プラットフォームも現場の効率化に大きく貢献している。
確かに便利で効率的だが、これらの技術に頼りすぎることの危険性も感じている。
書類・データでわかること vs 現場でしかわからないこと:
書類・データ | 現場の五感 |
---|---|
工程進捗率85% | 職人の疲労感・モチベーション |
品質検査合格 | 仕上がりの微細な不具合 |
安全パトロール結果 | 作業環境の危険な予兆 |
予算執行状況 | 無駄やロスの実態 |
気象データ | 現場特有の風向き・日照条件 |
私は現場監督として、必ず「足で情報を集める」ことを心がけてきた。
朝の現場巡回では、数値には表れない情報を五感で感じ取る。
職人の表情、作業音の変化、材料の質感、現場の匂い。
こうした感覚的な情報が、後の重大な問題を未然に防ぐことがある。
ある高層ビルの建設現場では、毎朝の巡回中に微かな異音を感じた。
データ上では異常はなかったが、気になって詳しく調査したところ、クレーンの部品に初期不良が発見された。
早期発見により大きな事故を防ぐことができた。
書類やデータは重要だが、それだけでは現場の全てはわからない。
現場監督は足を使い、五感を働かせて、生きた情報を収集する姿勢が不可欠だ。
まとめ
35年間の現場監督経験を振り返ると、技術の進歩は目覚ましいものがある。
BIMによる設計、AIを活用した安全管理、IoTによる施工管理。
私が若手だった頃には想像もできなかった技術が次々と現場に導入されている。
しかし、現場監督の本質は変わらない。
現場監督に求められる変わらない要素:
- 人への敬意と信頼関係の構築
- 現場の実情を読み取る観察力
- 危機管理能力と冷静な判断力
- 関係者をまとめるリーダーシップ
- 品質・安全・工程への責任感
現場監督の役割は「指示」ではなく「支えること」だ。
職人が安心して技術を発揮できる環境を整え、発注者の期待に応える品質を確保し、地域社会に貢献する建物を完成させる。
都市再開発プロジェクトという巨大で複雑な現場で学んだのは、現場監督とは多様な人々をつなぐ「結節点」の役割だということだった。
技術者、職人、発注者、住民。それぞれが異なる立場と価値観を持つ人々を、一つの目標に向かってまとめ上げる。
これから建設業界を目指す若い世代に伝えたい。
技術や知識は後からついてくる。
最も大切なのは「人間力」だ。
相手を尊重し、現場に足を運び、五感で状況を感じ取る。
そして、困ったときには素直に「教えてください」と頭を下げる謙虚さ。
最後に、若い現場監督への私からのメッセージ:
現場に行け。話を聴け。感じろ。
図面や書類では学べない、現場だけの「生きた知識」がそこにある。
失敗を恐れるな。しかし、同じ失敗は二度と繰り返すな。
職人を尊敬し、発注者に誠実であり、地域社会への責任を忘れるな。そして何より、「地に足をつけて」歩み続けろ。
建設業界は厳しい世界だが、それだけにやりがいも大きい。
完成した建物を見上げたとき、そこに関わった全ての人の思いと技術が結実していることを実感する。
その感動が、私を35年間現場に立たせ続けた原動力だった。
これからも建設業界が、人々の生活を支える重要な産業として発展し続けることを心から願っている。
参考文献
[1] 清水建設施工実績 – 麻布台ヒルズ(森JPタワー)[2] 清水建設 – 日本初の「都市型道の駅」豊洲MiCHiの駅
[3] 厚生労働省 – 建設業における安全対策